陶の街

多治見モザイクタイルミュージアムが目的地でした。

藤森照信による建造物で、夫はここを見たかったのです。

焼きそこなった食パンみたいな(失礼!)楽しい建物なのですが、彼のユニークで自由な発想の建築には、以前から私も興味を持っていました。

到着した日は月曜の休刊日で、翌日は台風の警報が出ていて、休館。

今回は外観だけ楽しんで、拝観は次回の楽しみにしたのです。

さてそれではと、多治見周辺で見学するところを考えたのですが、セラミックパークminoが、素敵でした。オリベストリートや、とうしん美濃陶芸美術館など、楽しい場所がたくさんあったのです。台風が来ていたのでとてもすいていたのもよかったのかもしれませんが。

この辺り車で走っていると、とても落ち着いた雰囲気のようなものが感じられて、魅力的なのです。なんだろうと考えてしまいました。

南の伊勢湾周辺は交通網もしっかりしている大きな工業地帯です。濃尾平野は四方の山々から豊富な水の恩恵を受け、また気候にも恵まれているのでしょう、まさに豊饒の土地。領土争いの歴史も各地にうかがうことができます。

多治見のあたりにはそのような様子は見られず、農耕地はむしろ少ないといえるのではないでしょうか。それでも、城下町とか宿場町とかの名で最近流行の「町並み」という雰囲気がないような気がするのです。静かな落ち着きがある。

これはきっと、「陶」という宝を手に入れた地ならではの落ち着きなのではないでしょうか。もちろん家庭における食器にも使われますが、「陶」の需要はあらゆる方面に拡がっているはず、この「地の利」、まさに土の利がこの地一帯に落ち着いた雰囲気をかもしだしているといえるのではないでしょうか。

それでは、それはいつ頃からのことなのでしょう。

いわゆる「せともの」という食器を手にしたのは何時の時代だったのかしらなどと考えていたら。うなかっぱ、という生き物に出会いましたよ。

うなぎのしっぽを持ったカッパです。

悪さをして頭の皿を割られてしまったのを、この地でお皿をつくってもらってから、ここは繁栄するようになったのだそうですよ。ううむ・・・。

土岐川の川辺あたりを、またよく見てみましょう。今回は、ここまで・・・。