足助(あすけ)のキツネ

山奥に住んでいるお爺さまが亡くなりました。

お嫁さんのお祖父さんで、足助のむこうと聞いていました。

キツネが長靴を盗んでゆくのだそうです。

「足助(あすけ)」という字面も読み方も味があるなあ。

新美南吉の「手袋を買いに」の物語に出てくるキツネも、

ここのキツネたちの一族かもしれません。そう思って、

以前、この話を聞いたときに詠った歌を

考えてみたりしました。

長靴の持ち主だったお爺さまが亡くなってしまったことを、

キツネは悲しんだのではないでしょうか。

お葬式には雪が降ったということです。